泣いても笑っても

お茶会でした。

お洋服をリフォームをきっかけに、
前々から、お茶に誘われていて、
少しでも会えないかしらと昨日
連絡があり、自分もちょっとお話したい
気分だったので、朝から出かけてました。

今にも降りそうなどんより曇り空。
なんか、自分の心みたいだわ～と
思いつつも、お宅に到着。

何度見ても、デカいわ～、この家。
玄関だけで何畳あるんだか…。
ここに、おひとりで過ごされて
いらっしゃるのに、廊下とかぴっかぴか。

「いらっしゃい、アンちゃん。
　忙しいのに、ごめんなさいね」
「あっ、いえいえ…」

リビングに通されて、テーブルに上には、
お手製の「お漬物」が何種類かありまして…
きゃ～～嬉しいっ、たったまらないです。

「こんなものしかないんだけど…」

なんてことを仰いますか～
これがいいに決まってます。

全部が美味しいったら、はふ～んっ。
習いたいくらいです。
心の中で、大感動してました。
これで、ほかほかごはんがあったら…。

いろいろと話しているうちに、
こういうものが出来ないかしらと
打診されまして、それは

「お洒落な割烹着」

白いのではなく、少し厚めの柄生地で、
ポケットを大きめにして欲しいとの事。
もちろん布地は、綿でということで…。
う～ん、これは、初めての依頼。
頭の中で、展開図が出来てましたけど、
さて、どうしたものか。

割烹着はうちにあるけど、これをアレンジ
すればいいのなら…。

「あの…、作ったことがないので、
　少しお時間を頂けますか」
「あら、アンちゃんも
　作ったことのないものってあるの?」

(そりゃありますってば…)　

「なんでも作れるわけじゃないんです、
　お恥ずかしいのですけど…」
(ガッカリさせちゃったかなぁ)

「難しいかしら、
　無理な事だったら、気にせずに断ってね」
「チャレンジをさせて下さいませんか、
　これから、この腕ひとつで
　身を立てていきますから」
「まぁ素敵だわ～、前々から思ってたのよ。
　でも、お父さんを介護しながら?」
「はい、時間を作ってでも。
　下手の横好きですけど」
「応援しているから…」

こんな役立たずな自分を
励まして下さいまして、涙が出そうでした。

「あっ、そうそう…
　来てもらったのはね、これ、手伝って」

手伝ってって?　場所を移してってこと?
お歳暮らしき箱がいくつも重ねられてました。

このおぱぁちゃん、何者なんだろ…、
お歳暮がこんなに届くなんて。

いやいや、自分は、そんなことは
考えてもいけないし、関わり合いが
ないのだから。

今、目の前にいるおばちぁちゃんが
自分が知っている彼女なのだから。

「たくさんあっても仕方ないから、
　好きなものがあったら、持っていって」

えっ、えーーーっ!!

「いやいや、そんなこと…
　貰う理由もないわけですし…、
　お子さんやお孫さんに…」

おばぁちゃん、包装紙を開けてるし…
あのう～、自分の話、聞いてます?　
もしもーし!!

「これは、お菓子のセット、
　アンちゃん、これ、好きそうかしら?」
「ゴーフルですね、美味しいんですよ、これ」
「じゃ、はい、どうぞ」

そう答えたら、好きだって言っているようなもの…
余計な一言、言わなきゃ良かった…馬と鹿。
貰う気満々じゃないかぁ～!!

「本当に貰ってもいいのですが?」
「食べて食べて…
　これは、ラーメンのセットだわ、
　うどんなら良かったのに。
　アンちゃん、食べる?」
「はいっ」

…って、何、さっきより元気よく
返事してるわけ!!
あ～っ、もう、断りなさいよ、自分!!
馬と鹿馬と鹿馬と鹿～っ。

次から次へと、包みを開けるおばぁちゃん。

ほんと、もうもういいですから～～。

結局、お菓子の詰め合わせ、クッキー缶、
ラーメンセット、コーヒーセットの半分を
頂いてしまいました。

ざっとこれらは、諭吉さん近くなってない?　
まるで、貰いに来たようなもの…。

自分が貰って、お孫さんやお子さんに
何か言われないかしら。
…って、家族構成は聞いたことがないから
知らないけど。

帰り際に

「アンちゃん、何を悩んでいるかは
　わからないけど、ちゃんと　それと
　向き合っているのがわかるから大丈夫ね」

何か伝わってたようです。
察して下さってありがとうございました。

さてさて、
大きな宿題と言うか、課題を頂きました。
どうしましょうかね～。

アン


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