泣いても笑っても

難病の父を介護しつつ、自治会の区長をやってます。

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2021-11-24 (Wed) 14:24

泣いて

下さるのですか、こんな自分に…。

こんにちは。

先ほど、お独り暮らしのおばぁちゃんのお宅へ
行って来たんです。

「お邪魔します~」

なんか、いろいろと片付いてるけど…? 
断捨離された? 

てっきり、自治会のことでの話かと思いきや、
お抹茶を立ててくださって、お茶のお誘いでした。
なんだ、最初から言って下さればよかったのに~。

久しぶりに、いろいろとお話していて、楽しくって、
お話が尽きずでした。
美味しいお抹茶とお菓子を御馳走になり、
そろそろお暇しようと…

「ご馳走様でした、長居してごめんなさい。
 とっても楽しかったです」
「アンちゃんとこうしておしゃべりするのが
 これで最後になるのね…」

えっ? 

「今度、ここを離れるんだよ。
 息子夫婦と住むことになって…」
「良かったじゃないですか…毎日、にぎやかですよ」
「全然知らない土地へ行くのがねぇ…」
「不安もあるかもしれないけど、ご家族と一緒なんですよ。
 持病をお持ちでいらしているし…安心ですね、
 自分なんて、ひとりですから~」

励ましてあげなきゃ…と思っていると…

「アンちゃん、こんな時だけど…」

そっと自分の右手を両手で包んで下さって

「今までありがとうね、いつも声をかけて…
 何かと世話してくれて… 
 アンちゃんと別れるのが辛いよ…」

おばぁちゃんの手が震えてる…。
力強く温かくて…つたわってくるぬくもり。

こんな自分に泣いて下さるなんて…。
おばぁちゃんの中で、自分の存在が少しでも
あったことが嬉しかったです。

今にも自分も涙がこぼれそう。
だけど、お別れは、絶対に涙を見せちゃダメ、
それが、最後ならなおさら。
笑って送ってあげないと…、
今生の別れじゃないのだから。

自分は、おばぁちゃんの肩に手をまわして
優しくとんとんと…

「自分の方こそ、今までありがとうございます。
 …こちらこそ、楽しかったです」
「私もだったよ…」
「これからは、ご家族と一緒なんですから…
 ひとりでテレビを見ている暇もないかもしれませんよ~、
 おばぁちゃんおばぁちゃんって言われて…」

うんうん…おばぁちゃんが笑ってくれました。

「おばぁちゃん、
 お元気でいつまでも長生きなさってください」
「アンちゃんも…そうそう、あのコは、元気かい?」
「はい、とっても…父のお気に入りなんですよ」
「そうかいそうかい、アンちゃんにもらわれて幸せだよ」

そうなんです、蘭丸を譲って下さったおばぁちゃん。

これ持って行って…と、ずっしりと重い袋を2つ。
ひとつは、里芋がたくさん、ひとつは、白菜2つ。

「ありがとうございます、美味しく頂きます!」

これが、最後の言葉。

その重みをずっしりと感じながら、帰路をとぼとぼと…。
これは、おばぁちゃんの最後のお野菜…。
畑いじりも出来ない環境に行かれるんだから…。

こんな自分なんかと、お別れで泣かなくってもいいのに。
なんで…なんで…自分は、何もしていないし…。
我慢していたけど、ぽろぽろと泣いてしまいました。
でも、おばぁちゃんの新しい門出ですもの、涙は禁物。

今月には、あのおうちは、空き家になるんだ。
すっごく大きなおうちなのに…
後日、引っ越しが終わったら、壊すそうです。
それで、このおばぁちゃんのここでの生活が終わるんだ…
何十年と過ごしておうちと…終の棲家にはならなかった。
そして、自分もここへは、来ることはないんだなと…。

蘭丸を抱っこしつつ、感慨深いものがこみ上げてきました
自分なんて、泣いてもらえるような人間じゃない…。
何時の時も、そんな人いたっけ? って、まるで透明人間扱いで
存在感もなかった自分なのに。

あぁ、らんちーがあったかい…うん。

おばぁちゃんちの広い土間に、らんちーがいて…
「誰か飼ってくれる人、おらんかね…」
打診された時、考えるまでもなく、そっこーで返事を
しちゃいましたっけ。

あれから、5年の歳月が流れてる…
蘭丸とも、あとどのくらい過ごせるのかな…なんか
切なくなってきちゃいました…って、らんちー…
阿保面して寝てるし…、ぷっ、思わず吹き出しちゃいました。
この顔見てたら、感傷に浸っている間はないみたいです。
さぁ、午後からもやんなきゃ~。

アン

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最終更新日 : 2021-11-24

No Subject * by 名無し
うっ、うっ、ぅぅ
泣かせる記事だ・・・
こんな人が、我らが主人公・・・
まるで感動映画の一シーン・・・
アンさん、感動をありがとう 
涙が溢れて、霞んでキーを打ち込めない
頬が大洪水・・ティッシュを・・・

温かさとぬくもり * by アン
メッセージをありがとうございます。
涙を拭って下さい。

自分も書きながら、泣いちゃっていました。
今でも、おばぁちゃんの優しい手のぬくもりが
手に残っています。

自分の手を握って、肩を奮わせて泣くお姿に、
胸が締め付けられる思いでしたけど、ここで、
自分も一緒に泣いていたら、悲しさ寂しさが
ますます募るだけですから、笑って離れないとです。

関りがなければ、きっとこんなシーンは
訪れなかったのに…なかったのに…と、
泣いて下さる程、自分の存在をそんなにも
思って下さっていたなんて…そう思っただけで、
いろんな思いがこみ上げてきて、涙が溢れます、今も…。

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No Subject

うっ、うっ、ぅぅ
泣かせる記事だ・・・
こんな人が、我らが主人公・・・
まるで感動映画の一シーン・・・
アンさん、感動をありがとう 
涙が溢れて、霞んでキーを打ち込めない
頬が大洪水・・ティッシュを・・・
2021-11-24-15:50 名無し [ 返信 * 編集 ]

アン 温かさとぬくもり

メッセージをありがとうございます。
涙を拭って下さい。

自分も書きながら、泣いちゃっていました。
今でも、おばぁちゃんの優しい手のぬくもりが
手に残っています。

自分の手を握って、肩を奮わせて泣くお姿に、
胸が締め付けられる思いでしたけど、ここで、
自分も一緒に泣いていたら、悲しさ寂しさが
ますます募るだけですから、笑って離れないとです。

関りがなければ、きっとこんなシーンは
訪れなかったのに…なかったのに…と、
泣いて下さる程、自分の存在をそんなにも
思って下さっていたなんて…そう思っただけで、
いろんな思いがこみ上げてきて、涙が溢れます、今も…。
2021-11-24-16:28 アン [ 返信 * 編集 ]