泣いても笑っても

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2022-10-22 (Sat) 22:03

この高鳴りは…

あ~、どきどきしてる…ときめき? それはない…はず。

こんばんは。

ちょっと前のお話…
あなた様方が、今、お暇なら、目を通して頂けたなら幸いです。
遡る事…9月、はい、自分の事をご存じの方は、誕生月でもあり、
苦月でもあり、ロクな事がないというジンクスが纏わりついて、
さらに、誕生日当日が最大に何かが起こるので、いつものように、
「警戒」して過ごしていました。

自分ですらも、予測が出来なかったというか、ありえないでしょと
いう出来事がありました、そのお話を…。

自分の誕生日の数日前、元許婚のメールが

「誕生日の当日、夜中に電話してええか?」
「起きてろってこと? メールじゃダメなの?」
「メールでもええんやけど…」

…歯切れが悪いなぁ。

「当日は、起きてろっていうなら、起きているよ」

元許婚とのメールは、それっきり。
その後、自分は、自治会の事で、すっかり忘れていて、
誕生日の当日というか、日付が変わる頃…
元許婚から、またメールが…

「起きてるか?」
「うん、起きているよ。
 何、パソコンの方にお祝いのメールでも
 してくれたの?」

それっきり…なんなの?
パソコンのメールチェックしても、彼からのメールはなし…。

午前2時…まったくと何の音もしない、静まりかえった中、
遠くから近づいているエンジン音が聞こえてくる‥
横になりながら、

なんか懐かしいエンジン音…
あぁ、マニュアル車か…、クラッチをきって止まる前に…って、

‥‥。

うちの横で停車したけど…? 
元許婚の車のエンジン音に、運転する癖は覚えてる…いまだに。
まさかね…そしたら、スマホにメールが…

「誕生日おめでとさん、贈り物があるんやけど…
 ここは、星が満天やなぁ」

‥‥は? 

「届け物って何?」
「オ・レ…」

そのメールを見て、縁側から外を見たら、10数年前、
最後に見たのはいつだったか…その車を。
その横に、見覚えがある姿が立ってました。

えーーーっ!!!
縁側から飛びだしちゃいました。

「よっ」
「ど…どうして?」

「どうしてって…10数年以上ぶりに会ったのに、
 開口一番それかいな…
 誕生日のお祝いをしに来たんや…」
「その為だけに、ここに? 
 だって、何百キロあると思うの? 」

「なぁ、何十年と付き合うていても、誕生日には一度も
 会ったことがなかったな…
 近頃、なんや、元気なかったやろ…だから」

自分の事を気にかけて、何百キロも離れている自分の為に、
夜通し走って来てくれたんだ…。

「……」

言葉が出ない…。

「あー、泣くのはなしや…そんなタイプやないやろ?」
「泣かないもんっ、誰が」

暗い中、ガレージの前で立ち話…。
でも、この日は、気温がかなり下がっていて、外では
肌寒いのではと思い

「少し休んで行ったら? 縁側から入って…」
「やめとくわ、俺がウイルスに感染してないとも限らんで…」
「でも…だったら、ナビ(助手席)に乗せて…」
「それもあかん…濃厚接触者になってまうやろ」
「何、感染していないでしょうに~っ」

「万が一や…俺は、感染者がよぉけ出ている地域から
 来てるんやで…」

元許婚は、ポケットから小さい包みを取り出して…

「俺は、これを届けに来ただけや、
 今の俺には、本物を買ってやれんからな…」

手渡してくれたのは、自分が大好きな車のミニカー。

「あ、ありがとう」

10年以上ぶりに会ったのに、言葉が出てこない…
それ以上に、さっきから、胸の鼓動がどきどきいってる…。

「どうした?」
「…だって、どきどきしてるんだもん」

「は? 何、おぼこみたいこというてんねん…、
 さてと…渡すもん渡したし、ほな、帰るわ」
「えっ? だって、来たばっかりなのに…」
 30分も経ってないよ?」

「顔、見れただけで十分や…」

サッと、車に乗り込む元許婚。

「待って…、夜通し走って来て、おなかすいてるでしょ?
 おにぎり…新米で炊いてあるから、握ってくるから、
 まだ、帰らないでね」

慌てて、台所に戻って、炊き立てのご飯で、
おにぎりを4つ握って、2つは、持ち帰り用、
2つは、温かいお茶とトレーに乗せて、車に戻って

「はい、これ、食べて…」
「すまんな…、有難く頂くわ、おっ、うまっ…」

ぱくぱくと彼が食べている間、久しぶりに会えた嬉しさと、
その反面…そう、たまに「無茶するんだ、この人は…」って。

「ごちそーさん、久しぶりに家庭の味って感じたわ」

薄暗い中、彼から、トレーを受け取り…窓越しで

「持ち帰りのおにぎり…ありがとな」
「気をつけて帰ってね、また何百キロの帰路なんだから…
 サービスエリアで休憩したら、メールか電話を頂戴ね」
「かなり冷え込んできたで…はよ、室内に戻りや‥」
「やだっ、見えなくなるまで見送るんだから~っ」

元許婚の車のテールランプが見えなくなるまで、手を
振っていました。
自分の姿は、バックミラーに映っていたはず…。

わずか15分ぐらいの出来事に、まだ信じられず…
夜空を見上げたら、今年一番じゃないかってくらいに、
星空が広がってました。

室内に戻っても、まだどきどきしていて…
手元には、貰ったミニカー…。

「いつも突然なんだから…」

結局、朝まで眠れず、夜明けを迎えました。

数時間後…
サービスエリアで休んでいるというメールがあり、
そこでも、彼が自宅へ戻るには、まだ半分の地点…。

「真夜中に来てくれてありがとう。
 ただ、父がなんで、朝ごはんも食べさせずに帰したんだって
 怒られたよ」
「おやっさんによろしくな」

相変わらず、メールはそっけない。
だけど、これから、数時間かけて、帰らなきゃならないんだもの。

自宅に付いたというメールが入ったのは、昼過ぎでした。
とにかく、何事もなく帰宅してくれてよかったです。
だって、誕生日に何か起こるかもしれないのに…
それだけが、ただただ心配だったんです。

「俺、これから、寝るわ」
「おやすみなさい」
「俺の知っている女の子のまんまやったで…
 ほな、おやすみ」

‥‥。

元許婚と最後に会ったのは、30代の終わり…。
介護と共に、たぶん、2度と会うことはないかもしれないって、
お互いに諦め、それぞれに在宅介護生活に入ったんでした。
あれから、10年以上…
まさか、誕生日に会えるなんて思ってもなかったです。

わざわざ、誕生日に会いに来てくれて、ありがとう。

それが、自分の誕生日に起こった出来事でした。
元許婚とは、誕生日当日に一度も会ったことがなく、
これが初めてでした。

何を思って、突然、こっちに来たのか…
自分が聞きたいくらいでした。
ドライブがてらって言っても、何百キロ、最低500キロ以上ですよ?
この燃費が高い時に…。

絶対に、この先も忘れられない誕生日になったのは、言うまでもなく…。

後日、元許婚と電話をしていて‥

「おにぎりと一緒に、茶、出してくれたマグカップ…
 まだ、持ってたんやな」
「覚えてたんだ…うん、大事に使っているよ」
「それ、買った時の事、思い出したわ‥
 まだ17やったな…、雑貨屋で、そのマグカップを
 欲しそうな顔をして、ずっと見てて…」
「欲しそうなって、何それ…」

「結局、高いから諦めるって…」
「その後、わざわざ買ってくれたんだよね…
 嬉しかったなぁ、初めての贈り物だったし…」
「どんな高いマグカップかと思ったら、
 当時は、700円ぐらいだったはず…
 それを今も後生大事にしているなんてなぁ…」

マグカップ…もう使い始めて30年以上経過してます。
とっても可愛いんですよ、マグカップの横に立体の
「招き猫」ならぬ、「招きうさぎ」のオブジェがくっついていて…
とても30年以上経っているとは思えないくらい…。

付き合い始めた頃のばかりでしたら、おねだりなんて
出来ないし、かといって、当時は、自分にとっては、
高いお買い物で…そっか、あれから、30年以上…
このマグカップだけは、ずっと一緒でした。
自分は、お茶を飲むのも、紅茶を飲むのも、これひとつ。
これからも、大事にしなきゃって改めて思いました。

さらに後日…、自治会の事で目も回るような忙しさで、
体力気力共に、消耗していて…つい、元許婚に泣き言メール。

「あの時、ぎゅっと抱きしめてくれたら、頑張れたのに~」

その返事か…

「何それ? サバ折り?」

ぷるぷるぷる・・・・・・・・・・・・・・誰が、相撲技をかけろと?

はい、こういう人です。
ロマンチストを求めるこっちが馬と鹿。

わかってます‥、わざとこんな返事をしているって…
自分が笑って、少しでも元気になるようにと…。
…にしても、元許婚の「返し」は、キレッキレです。
関西系だから?  

今も目の前に、誕生日当日にもらったミニカーがあり、
これを見る度、誕生日に来てくれたことを思い出す″物″に
なりました。
きっと、マグカップと共に、一緒に月日を重ねていくかと…。

こんなそんな誕生日の出来事のお話に付き合って下さり、
ありがとうございました。

おやすみなさい、よい夢を…。

アン

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最終更新日 : 2022-10-22

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