泣いても笑っても

「うわぁぁぉーーーっ!!!!」

早朝五時…父の部屋から、
父の尋常じゃないうめき声が聞こえ、
すっ飛んでいくと、ベッドの上で
肩で息をしている父が…。

どうしたの?　何かあった?　
今の声、普通じゃなかったよ?　
何に驚いたの?　と聞くと、

父は、一言…

「死神がいた」

は?　はい?　

えっと…認知症の始まりか?　
いない人を見るとかの現象?　

父がまた一言…

「死んだ…」

う～ん、今の今まで寝てたよね?
寝ぼけたのか?　

次に父が発した言葉が…

「おまえが…」

　　　

　　　　　　　・・・・・。



…って、自分かーい!!!

すかさず、ツッコミした自分。

もう、おっかしくて、笑い飛ばしましたよ。

枕元にでも現れたかと思ったじゃない!

よっぽと嫌な夢を見たんでしょうね。
汗びっしょりで…。

はいはい、ホットタオルで身体を拭きましょ、
ついでに着替えも…。

その間も、父は、だんまり。
なんで、そんな夢を見たんだか…やれやれ。

こんな時は、娘より、蘭丸出動!!
ぐかーっと寝ているらんちーをケージから出して、
父にほいっと抱っこさせて…

「誰かここにいたり、何かあったら、
　蘭丸だって、起きて騒いでるって、
　見てよ、このだらしなく寝る蘭丸を…」

なでなで…父もそっと撫でてましたが、
その間も、蘭丸は、ガーガーと寝てました。

やっと落ち着いたのか…次には、

「寝てるのにかわいそうだろ」と自分を叱る父。

なでなでしてたじゃん～～、
なんで、自分が…。
まっ、いいですけど。

…にしても、夢如きで騒がないでよね。
どんなに、びっくりしたことか…自分。

ついでに言うと、夢の中で、
何度死んだことか～～。
首を落とされたり、胸をナイフで刺されたり、
リアルに生あったかい血がどくどくと
流れるのがわかるようなのなんて、しょっちゅう。

だから、朝起きて、呼吸しているだけで
ほっとする自分がいたりして…。

アン


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